
行動の中に見られる、一見無駄に見えることでもある程度の範囲であれば有用な価値が見いだされる事例を、電子辞書の功罪としてお話しします。 電子辞書には、2つのタイプがあります。一つは、独立した電子辞書。従来、紙の媒体で有ったものが、電子記録に置き換えられ専用の装置・ソフトウエアで再生されるものです。もう一つは、PC等で使われる電子辞書です。紙の辞書を電子化して本を再生装置に置き換えたものに比べて、PC内であればソフト上のデータとして他のソフトとの連携した使い方が可能になります。例えば、スペルチェッカーやポップアップ辞書です。 電子辞書のメリットは、多くの人の場合、検索速度がかなり向上することでしょう。これは、辞書=単語の意味を知る において非常に大きな効果があります。特に、PC上でポップアップする辞書を使い慣れた、とても紙の辞書には戻れません。ほぼ、即時に訳語がわかるので、英文の理解も思考を止めない分はかどります。 また、スペルチェッカーは、うろ覚えの単語であっても間違いのないスペリングを引き出してくれます。Dictationがある程度できるようになれば、未知の単語の辞書引きが可能になります。(*1)
ゴールに向かって、タダ直進するのであれば、電子辞書はかなりの優れものです。でも、辞書を引いているとき、寄り道をした経験はありませんか? 私は、子供の頃から辞書や百科事典などを引いているときの寄り道が大好きです。たまたま、開けたページに目を引くものがあったら、ついついそれを読んでしまいます。そして、またつぎ、そして、そのつぎと・・・。目的の単語のページでも同じようなことをします。前後の単語をついつい眺めてしまう。
これは、その時点での目的を考えると、マイナスの行動ですが、長い目でみるとマイナスよりプラス効果が大きいかもしれません。ただ、時間は無限にありませんから、自分の持つ時間のバジェットを考えないといけないですが・・・。時間の使える範囲内でのこういう「寄り道」は、その人の幅を広げる効果があると思います。これは辞書だけに限らず、ご自身の専門分野の雑誌を見ているときに少し、自分の守備範囲をはずしたところをたまには見るなどです。これを意識的にすること、そして、本当に大きな寄り道にしてしまわないこと。 ところが、電子辞書では、この寄り道がやりにくい。(*2)周りが見えないと言うか、一直線な感じがします。特に、ポップアップタイプでは表示サイズの制限などもあり、ほとんど検索語しか眺められません。もちろん、電子辞書なので、クロスワードのときのようにいくつかの伏せ字を使った検索なども機能としてはありますが、寄り道ではなく、そのために行動しないといけない。違う行動をするにはエネルギーがいるので普通は、意味もなくこんなことはしませんね。
そこで電子辞書でも可能な寄り道の提案です。実はこれは私の単語の憶え方です。 例をあげます。例えば、pineappleと言えば、これはパイナップルでしかありません。(*3)これが前者の例です。ではpale yellowのpaleだとどうでしょうか?paleを辞書で引くと「青白い、青ざめた、(色の)薄い」とありますが、青ざめた黄色だと理解できませんし、薄い黄色だとどれぐらい薄いのか気になります。こう言うときに、夜空に浮かぶ薄黄色の月、見方によっては青白くも見える・・・というイメージの色の濃さ表現として頭に思い浮かべてみてください。文字で「青白い、青ざめた・・・」をイメージするより、映像をイメージした方がなんとなく判った気がしませんか?私はこの方が記憶に残りやすいです。 なぜ、こんな言葉のイメージにこだわるようになったかというと、日本語と英語の狭間にいて、辞書変換ができなくなることがよくあるからです。もちろん、反省、慮る、根回し・・・など日本語にしかない概念はもちろんですが、そうでないものでも、同じ言葉と思うことが微妙に違ったり、表現方法がちがったりしてうまく掴めない。そんなことに気づいたときにふと赤ん坊が言葉を覚える流れを考えてみたのです。赤ん坊は初めての言葉を学んでいくのですから、言葉の情報で、語の内容知るわけではありません。状況判断から、その語の持つ意味を概念的に理解していくはずです。もちろん、リンゴはリンゴとして具象的ですが、一般的に名詞以外は、概念的な方が主体だろうと思ったのです。「そうか、言葉の(意味ではなく)感じを掴もう!」これがきっかけでした。この方法は、ネイティブから単語の意味を教えて貰うときに役立ちます。彼らは、日本語を知りませんから、言葉を色々と定義したり、類似の言葉との関わりを教えてくれます。そのなかで、自分なりのイメージを作っていくのです。 こういう言葉の感じを掴むのに、辞書での周辺のブラウズは結構役立ちます。あなたの時間にうまくRedundancyを組み入れて、是非試してみて下さい。 |
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07/7/03
*1:アメリカに来て間がない頃、友達が、「おまえはどうやって辞書を引くの?」と問われました。当時、スペルを教えて貰わないと単語を書き取ることができませんでしたから、彼にはとても不思議に思えたのだと思います。LとR、Sとthなど間違えやすい組み合わせを色々とやっても、耳から聞いた言葉の辞書引きはなかなかうまくいきませんでした。 *2:実際は、電子書籍やWEB記事、ほとんど全ての電子情報に共通する欠点だと思います。紙媒体で起こる偶然のような出会いは、ニュースサイトやポータルの一部でしか起こらないように思います。 *3:俗語の類は除きます。 *4:こういう行動の冗長性の有用性は、他にもいろいろあります。 |
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07/16/03 Updated
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