TOEICのギャップ

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bulletTOEICは一つの優れた評価方法。でも、定規には計れる範囲がある。

   ちょっとした興味があったので、近所に住む日本人の小学生に頼んでTOEICの模試を我が家で受けてもらいました。この模試は、Barron'sと言う会社の出している教材で、TOEICと全く同じ形式でListeningとReadingの模試をすることができます。Listeningは音楽CD-ROMですから、こちらも実戦同様です。違うところは、TOEICでは採点の配点方法が公開されていないので、得点換算ができないことです。ただ、正解はあるので正誤評価は可能です。

  模試をやってくれたのは小学校4年生(S君)と2年生(K君)の兄弟です。学校の成績は普通程度、学校区はアメリカの中では割と勉強に熱心な地域と言えるようです。彼らは、アメリカに住んで5年ほどだそうです。もちろんアメリカに来る前は、全く英語を学んだことはなく、アメリカに来ても英語の特別クラスや学校外での補習はやらなかったそうです。

  模試は、およそ半年おいて2回しました。さて、皆さん彼らの成績はどの程度と予想されますか?推定を頭に描いてから、右のリンクをクリックして彼らの成績を見てください。(兄弟の成績

  どうでしょうか?驚かれますか?それともそんなものだろうと思われますか?
いずれにしても、日本で一般にあげられるTOEICの点数についての指標は本当にいいのだろうか?と思わされることです。指標でよくあるのが、「600点を目標に」。これは、海外でビジネスをする人への指標ではありませんが、 実際のコミュニケーションのスキルを評価する指標として使うなら、論外でしょう。次にあるのが、「750〜800点が海外要員の最低限の目安」。もっと細かい数字があげられることもありますが、この「最低限」は、正しいと思います。私の行った実験は、非常に範囲の狭い試みではありますが、この点数をクリアしないと小学校2年生程度かそれ以下の言語能力とネイティブからは見えるわけです。*1ご自身の周りの小学校1年生とお話しして、どう感じますか?その子供達の会話スキルでビジネスができるでしょうか?

  確かに10歳ぐらいの子供になると大人顔負けのスピーチをしたりする子もいます。このクラスになると実用の英語として十分に使えるレベルのはずです。でも、このレベルになるとほとんどTOEICと言う定規の範囲を超えているとも言えそうです。逆に600点以下も実用の観点からは、有効な範囲と言えなさそうです。
 

  同じような視点で、今度はIQテスト(大人用)をこの小学校4年生のS君と私とでやってみました。IQテストは、3つのカテゴリー(Language Arts, Logical Thinking, Math)からなっていて、それぞれが50問ずつで別々の時間配分となっています。よーいどん!結果は、S君と私のLanguage Artsが同じおよそ1/3の正解。後のものは、私はほとんど正解なのにS君は小学生らしくやはり1/3ずつでした。2種類の試験が有ったのですが、両方ともほぼ同じ結果になりました。

  この結果、私の英語の言語下での能力は、せいぜい小学校4年生程度と言えるわけです。たった1つのテストで統計的に意味を持ちませんが、まあ当たらずとも遠からずと私自身は感じています。また、S君の結果は105〜110という数字だったので、彼のTOEICの結果が特別に優れているとか、劣っている状態を評価したのではないことを裏付けています。


  TOEICは優れた定規の一つですが、使えるエリアというか守備範囲を頭に想定しないと、受験競争と同じで得点だけが一人歩きしては、本末転倒の結果になりかねませんね。

 


*1: 小学校2年のK君は、日本人なので家庭では日本語。つまり、ネイティブの2年生はもう少し得点できる素養があるはずです。また、ビジネス用語などを知らない年齢と考えると彼自身も英語の能力はもう少し高いものと思われます。

05/28/03

ホーム 上へ S君とK君の結果

07/16/03 Updated
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